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平成14年10月10日の衝撃的な「座敷わらしとの約束」から丁度一年がたつ頃、私にはひとつのもどかしさが残っていました。それはせめて子供達にだけでも、あの日の可愛い座敷わらしの姿を見せてあげられたら・・・。しかし、あの日の不思議な出来事やあの臨場感は私の限られた言葉で語るには限界がありました。彼らのわらべうたのような「約束」のフレーズは、すぐにノートに書き写せたものの、可愛い姿はずっとだれにも見せることはできません。座敷わらしは、私の記憶という空間で鮮明に生き続けました。何年経っても色あせない。彼らは無邪気に遊んでいました。 そんなある日、暖かい部屋で家事をする私のとなりで、娘が大好きなイラストを描いていました。その姿をみてひらめいたのです。この記憶のデータを画用紙にダウンロードできるかもしれない。私は夢中で脳裏に浮かぶワンシーン、ワンシーンをスケッチしました。思いのほか鉛筆をもつ手がうまく動きだしました。数分で描きあげた「座敷わらしの絵」を娘に見せたところ「これママが今書いたの?」と、とても驚いていました。 描き始めて彼らは「文字」のメッセージをくれるようになりました。「これはどういう意味?」と問いかけると、頭に画像が浮かびあがり、私はそれを必死に画用紙に写しました。 しかしある時、私のエゴはささやきかけました。「上手にかける?」ってね。 今思えば、「うまく描こう」なんて傲慢な私でした。彼らから描かせてもらっているのに・・・ ある日、編集者から「座敷わらしの本を書いて見ませんか?」と連絡がありました。その時、ふと「絵」のことを思い出したのです。5年前、座敷わらしをひらめくまま描いた数枚の絵。それぞれを、「座敷わらしとの約束」のフレーズにのせて、パズルをはめ込むように並べかえたら、この絵本「座敷わらしの絵本」が出来上がっていました。本当に驚きました。彼らの思いに忠実に沿えるよう、はじめの原画に手を加えず絵本を作ってみました。 不思議です。座敷わらしが描いてくれた絵。振り返ると5年の歳月を越えてた私の人生そのものでした。不幸だと思っていた私が交わした「座敷わらしとの約束」は、まさに「自分との約束」だったのです。 日本の天使達へ |
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